目標達成型コーチングで限界を感じたとき
より良い自分になるためにどこまで努力をすればいいのか。
どこまで変わり続けなければならないのか。
そんな問いを抱いたことはありませんか。
今ここの安らぎの中で深く安心をして生きる。
そんな統合した在り方を選択することができないなにかを、自分の中に感じることはありませんか。
本記事では、これまでの目標達成型コーチングで実際に起きている新たな”課題”の構造と、なぜコーチングでは統合しきれないのかという問いから、“変化を起こす構造”そのものの限界について整理します。
コーチングは、本来とても有効なアプローチです。
思考を整理し
視点を広げ
行動を変える
このプロセスによって、多くの人が現実を変えてきました。
しかし同時に、ある地点でこう感じる人が出てきます。
・変わっているはずなのに、どこか揺れる
・理解はしているのに、戻ってしまう
こうした同じパターンが繰り返されてしまう、
いわゆる「変化の限界」に直面する段階です。
なぜこの限界が起きるのか。
その理由はシンプルで、従来のコーチングが主に扱っているのが「思考」だからです。
多くのコーチングは、
・思い込み(ビリーフ)を変える
・視点を変える
・解釈を変える
というアプローチを取ります。
これは、認知レベルの変化を扱っており、社会に適応し成果を出すうえではそれが非常に有効です。
しかしその一方で「存在」そのものに触れてはいません。
しかし、人の「存在」はさまざまな層を含みます。
少なくとも、
・思考(認知)
・感情
・身体(神経系)
・無意識(シャドウ)
という複数の層で構成されています。
そして重要なのは、層ごとに変化のメカニズムが異なるということです。
■ 認知は「変えられる」が、神経系は「変えられない」
思考は、言葉/理解/再解釈によって変わります。
しかし神経系は、理解では変わりません。
なぜなら神経系は、生存・安全・危険といったレベルで働いているからです。
従来のコーチングでは、
・思考は変わる
・認識も変わる
そこで行動も変わります。
が、しかし身体はそのまま、という状態が起きます。
たとえ「潜在意識を顕在化する」アプローチを取っていたとしても、
言語化可能な範囲を扱っている限り、それは「思考できる範囲」にとどまります。
思考レベルの理解では、神経系の反応は変わらないのです。
私たちが「無意識」と呼んでいるものの多くは、身体・神経系に刻まれた反応です。
たとえばトラウマとは、出来事そのものではなく「身体に残った未処理の反応」です。
しかしトラウマインフォームドではないアプローチは、「出来事の意味づけ」「解釈」「言語化」にとどまります。
神経系そのものには触れておらず、内側にズレが生じる、という現象が起きます。
(ここでいう「触れる」とは、知識や理解ではなく、実際に反応が解けるプロセスを指します)
このズレによって、次の現象が生まれます。
・頭ではわかっているのに反応する
・同じパターンに戻る
・無意識の防衛が繰り返される
そしてこれが、
「わかっているのに変われない」という新たな苦しみ
を生み出します。
さらに見落とされがちなもう一つの要因が、シャドウです。
シャドウとは、自分の中で認識されていない側面で
・抑圧された感情
・認めていない欲求
・無意識のパターン
で、これらは、言語では直接扱えない領域を含みます。
この点は、エックハルト・トールが「ペインエネルギー」と表現している領域とも重なり、つまりは、思考では届かない領域(エネルギー含めた意識領域)の存在が関わっているのです。
ここまでを整理すると、
従来のコーチングが扱っているのは主に「認知の変化」であり、自我構造の再編を指しますが、
統合に必要なのは「身体と無意識の変化」です。
つまり、扱っているレイヤーが異なる、という構造的な限界があります。
ここではじめて、必要な条件が見えてきます。
・神経系の安全
・非介入の関わり
・場としての存在
これは、「変える」アプローチではなく、
“起きることを許す”アプローチです。
従来のコーチングも、とても機能的です。
それは、より良い自分になりたい、もっと成果を出したい、この社会に最適化していくにおいては、非常に有効です。
しかし、それだけでは届かない領域がある。
その衝動は、自我を最適化するのではなく、自我を支える”セルフ”から生きたい、という衝動が立ち上がった時に現れる、生命の躍動でもあります。
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