山に登ったら神様が降臨した話

緊急事態宣言が明けた今週末、見事な秋晴れに誘われて、久しぶりに家族で出かけました。宣言が出ているあいだは必要最低限の用事を済ますくらいしか出かけなかったので、家族そろって楽しみのためだけに出かけるのは、本当に久しぶり!天然の自然を求めて愛知県内にある鳳来寺山へ行きました。

この鳳来寺山、山の中腹に国の重要文化財にもなっている東照宮があり、そのお参りついでに、山頂へ上る山道があるのです。これまでお参りに来たことはあったけど、山頂まで行ったことはなかったよねと。せっかくだし登ってみるかと。そんな軽い気持ちで今日は山頂へと足を延ばしてみることにしました。装備としては、いちおう水筒は持参していて、いちおう運動靴は履いている、そんな感じです。

うーんやっぱり自然はいいね!天気よくて気持ちいい!秋晴れサイコー!

最初は元気がよかったんですが、こんなすごい急斜面の根っこ道や

すごい急斜面の石積み道や

根っこを掴んでえいやと登る段差道を

ひたすら登り続けていたら、だんだんみんな無言になりました笑。コロナ禍での運動不足が確実に効いている・・・。

山頂まだかな?もっと近いと思ったんだけどぜんぜんたどり着かないね?

不安になってすれ違う人に山頂までの時間を尋ねてみたら、あと30分だと言う。うそー!地図で見ると山頂まで1900mと書いてあるからもっと余裕だと思ってたんだけど、ふつうの道と山道がこんなに体感違うものだなんてぜんぜんわかってなかったんですね。

やばい、水も心の準備も足りてない。水筒の水は底をつき始め、家族の口から次々不安が漏れ始める。ついには山頂にたどり着く前にすべての水を飲みほしてしまいました。空っぽの水筒に噴き出す汗が、みんなをますます不安に。

・・・水ないのやばいよね。山頂あきらめて戻る?戻るにしても半分まで来ちゃったよ?

子連れ水なしのこの状況で、引き返したくなっている夫と、先に進んでしまいたい私。山頂行ったら自動販売機あるんじゃない?なんて言ったのはこの私ですが、そんなのはありません。この鳳来寺山のルートは円を描いていて、登りと下りが別ルートになっているのですが、はじめて来た私たちには進むか戻るか判断ができず、通り過ぎようとした男性に声をかけ尋ねることにしました。

「すみません、山頂までどのくらいですか?進むか戻るか迷ってるんです。」

おひとりで行動をされていたので、すでにこの山を知っている人と勝手に判断し、知ってる前提で尋ねる私に対し、男性は丁寧に答えてくださいました。

「ここまで来たらどちらも変わらないですね。道はどちらもそれなりですし、山頂と言えど景色がいいわけではないですし。」

「山頂に自販機とかありますか?実は水が尽きてしまって。この先進むと人がいるエリアとかありますか?水がもらえそうなところはありますか?」

食い気味で尋ねる私の初心者度を察してくださったのか、男性は山頂に自販機はないこと、人がいるような場所もないことをゆっくり説明してくれたあと、おもむろに

「そういえば僕、水持ってるんですよ」

と言いながらリュックを降ろし、中をガサゴソし始めました。

「え、いや、そんな水はそちらにも必要なものですから・・・・」

と言いかけた時、男性はまるで手品のように、リュックから2リットルや500mlのペットボトルをを次々と出し始めました!午後の紅茶に十六茶にほうじ茶に緑茶にとバラエティも豊かに!

「大丈夫ですよ。この中、水(飲料)しか入ってないので。トレーニングで背負ってるだけなので。」

・・・神様!


水なしで進もうか戻ろうか迷うというこの状況で声をかけた人が、まさかトレーニングで大量の飲料を背負っている方だったとは。遠慮する瞬間を思いつけないほどのスピードで、ありがとうございます!すみません!神様と呼ばせてください!とお伝えし、ありがたくいただき、お礼をお伝えして分かれたあと、私たちは山頂まで到達。その後下山し、無事に最後の工程まで歩ききることができました。(飲料は購入させていただきました)


こんないいタイミングで助けてくださる方が現れたことに感激、そしてほんとうに感謝なできごとでした。本来なら準備不足で反省しなくちゃいけないできごとかもしれませんが、今日は心から感謝をしました。

帰り道にふと思ったこと。前に進みたい!と思って私が声をかけた方だったから、こういう優しい方に巡り合うことができたのかも。意思をもって動いたことで、いい出会いをもたらしてくれたのかも。何をするにおいても、動く本人の意思次第で、周りの状況が自分にとっていいものにも悪いものにもなり得る、という場面は往々にしてありそうです。

今日のありがたいできごとを次につなげること、意思をもって動いてみること、そして水はたくさん持ち歩くこと。それが今日の教訓です。ありがとございました!




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